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南昌市の海昏侯墓、主は前漢の第9代皇帝劉賀か

竹の札には「論語」が書かれており、墓の主の身分が初代海昏侯・劉賀であることが初歩的に確定されたーー。
江西省南昌市で12月23日、前漢大墓の学術シンポジウムが開かれた。国内の数十人の秦・漢王朝に詳しい権威ある専門家が、発掘調査を高く評価した。
国家文物局専門家チーム長、秦・漢王朝考古学専門家の信立祥氏は、「今後は学者による研究の掘り下げを踏まえた上で、
学者の研究成果を本にまとめ、前漢大墓の専門書を出版する」と話した。中国江西網が伝えた。

◆竹札に「論語」か

前漢大墓からは多くの竹札、100枚弱の木札が出土した。シンポジウムで発表された情報によると、専門家らは整理された一部の竹札に、「子曰わく」などの文字を発見した。
信氏は、「これは論語、もしくはその中の一部の語録だ。竹札に記録されている文字をすべて理解するには、まだ一定の時間がかかる」と述べた。
国家文物局専門家チーム副チーム長の張仲立氏は、「墓の主が劉賀であるならば、彼は少なくとも聖賢を尊んでいたはずだ。
主椁室（棺をおさめた部屋）の中から、聖賢像や孔子の生涯が描かれた屏風が見つかったのはなぜか。座右の銘のように寝室の側に置かれていた。
それからこれまで出土している2つの硯、この多くの竹札は、劉賀の文化人的なイメージを裏付けている」と話した。

◆墓の主は劉賀か

前漢大墓の発掘調査隊を率いる楊軍氏によると、前漢大墓は古文書に記載されている昌邑王・劉賀の領地に位置し、歴史的背景は非常にはっきりしている。
他にも実用車馬副葬坑から出土した美しい金銀の装飾が施された青銅の車馬具は、古文書に記載されている「竜首銜軛」や「王青蓋車」と類似している。
また墓の中からは「南昌」「漢」「昌邑二年造」「昌邑九年造」といった文字が記された漆器、青銅器、印章、木札が見つかっている。
ゆえに墓の主の身分が初代海昏侯・劉賀であることが初歩的に確定されている。

信氏は、「現在得られている証拠のすべてが、墓の主は劉賀であることを示しており、別の証拠は見つかっていない。
しかし内棺の整理が終わった後、最も直接的な証拠が見つかることに期待している」と述べた。

つづく

◆馬王堆、南越王墓を上回る価値

南京博物院考古研究所副所長の李則斌氏は、「前漢大墓の発掘は、秦・漢王朝に関する過去数十年間で最も重要な考古学的発見だ。
その意義はすでに長沙の馬王堆を上回っている。現在得られている情報だけでは、前漢大墓の価値を完全に知ることができない。
発掘と研究の進展により、多くの新たな研究分野が生まれることになりそうだ」と指摘した。

広州南越王宮博物館長の全洪氏は、「前漢南越王墓は南昌の前漢大墓に及ばない。
前漢列侯墓の研究はあまり集中していないが、前漢大墓の発掘により列侯の墓や前漢の葬儀・埋葬制度を再認識する、多くの新たな観点がもたらされる」と語った。
西北大学文化遺産学院教授の段清波氏は、「前漢大墓がもたらす社会的・文化的・歴史的価値を見積もることはできない。
例えば驚異的な量の金の器が見つかっているが、これは前漢に驚くほど多くの金が保管されていたという古文書の記載を再度裏付けた。
前漢大墓は、これらの金がどこに行ったのかという、学者の思考と研究の掘り下げを促す」と指摘した。（編集YF）

http://j.people.com.cn/n/2015/1224/c95952-8995133-2.html